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バランスヘッドフォン大きな誤解その3 [オーディオ]

さて 次に、共通インピーダンスの無い回路はなぜ優れているのでしょうか? これは 図で何度か書きましたが、自分以外の信号で自分の信号が動いてしまう と言うことが無くなるのです。 元から無い信号が発生するわけで 大きな歪みです。簡単に言うと 同じ経路を異なる信号が通過すると 経路には抵抗がありますので電圧が発生し、他の信号に影響があると言うことになります。

これは 通常の回路が アースを0Vという基準にしていることから発生する問題ですが、これを無視した回路は作れませんので どうしても理想回路を作る場合には共通インピーダンスをなくさないといけないのです。

その共通インピーダンスをなくす と言う行為の一つが ヘッドフォンワイヤーのバランス化です。
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一つ と書きましたがそのほかには アンプ内部の アース回路の共通インピーダンスの排除を考えなければなりません。これは かなり大変です。なにしろ アースに接続する回路全て共通インピーダンスを排除するためには個別に配線しなければならないので これはかなり大変だと言うことがわかると思います。

実は アースが大変なのは アース電位の安定化電源?? みたいなものが無いからです。基準ですから 動かせないのです。たとえば電源の +側を考えますと 他で電流が流れ電圧降下してしまったら 安定化電源で電圧を即座に上げる(インピーダンスが低い状態を作る)と言うことがある程度可能ですが、アースは難しいのです。

んーん 難しくなってきてしまいましたね。でも アースの大切さ は理解していただいたと思います。基準だからです。
基準がフラフラ動いたら基準にならない と考えておけばわかりやすいです。

ここまで来たら 言いたくなるのが、「理想的なアンプは難しい」のです。そういう理想を追求したアンプでないと バランスヘッドフォンの良さを発揮できません。共通インピーダンスがそこら中に 大きくあるようなアンプだとバランスの意味が無くなってしまいます。だから バランスヘッドフォンの評価が悪くなったり(アンバランスと変わらない?)と言ったような おかしな評価が生まれてしまうのです。

いろいろ説明してきましたが、やっと 何十年間追い求めた 完全バランスという 理想のDACもできたことですし 他の理想から外れた機器での評価でバランスヘッドフォンの正当な評価ができなくなる と言うような事は避けたいと思い説明してきました。
また ヘッドフォンだけでなくスピーカーも完全バランス再生をすれば 理論的にも今までよりもっと高音質になります。最近では 可聴帯域内での位相ずれの少ない回路も新型の素子で実現できるようになってきましたので、 完全バランスではない 位相反転回路を利用した バランス回路でも十分高音質で聞けるようになってきましたし、まだまだバランス回路は理想に向けて進化するはずです。
特に 耳に近いヘッドフォン。さらに 理想を追い求めるとどうしても問題が多く、音質を悪化させる可能性のある共振回路(ネットワーク素子やバスレフポート) の無いヘッドフォンも作れるわけで ある意味 高忠実度再生にもっとも近い 再生装置かもしれません。

次回は 現役設計者も間違えている事が多い インピーダンスを低くする ということと 共通インピーダンスをなくす という事の違いを説明したいと思います。