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バランスヘッドフォン大きな誤解 その4 [オーディオ]

さて 今回は 現役設計者も間違えている事が多い インピーダンスを低くする ということと 共通インピーダンスをなくす という事の違いを説明したいと思います。

いままで 共通インピーダンス についていろいろ語ってきましたが、 多くの人が問題にしているのは 共通インピーダンスではなく、インピーダンスを低くすることです。わかりやすいたとえで言うと「極太電源ケーブル」や 「スピーカーコードを太くする」 などです。
しかし どちらがオーディオに大切かと言えば 間違いなく共通インピーダンスで インピーダンスを低くする行為はそれほど重要ではありません。(と一応言っておきます・本当はいろいろありますので後述します)

もちろん 使用する最大電流が流せないような設計は論外ですが、たいていは余裕を持って設計されています。

では インピーダンスを低くする行為とはどんなものなのでしょうか?

一番簡単なのは 「太い線を使う」といえばわかりやすいでしょうか!? 回路パターンで言ったら 太いパターンや厚いパターンです。多くの設計者が誤解している部分はここにあります。 回路技術屋さんであrば よく聞く言葉に ベタアース という手法があります。 インピーダンスが低いと基本的に回路は理想に近くなりますし (抵抗が0オームであればロスが無くなり配線の理想になります) ノイズも受けにくくなり、さらに 熱も出ませんし、良いことだらけのように感じ、その結果ベタアース(パターンを太くするためにあいている部分全てをパターンにしてしまう)と言うことをつい行ってしまいがちです。しかし オーディオに限らず アナログ回路では大問題となります。 理由は いくら太くても共通インピーダンスを持ってしまうからです。 +側から海路を通ってアースに流れてくる電流が あちこちから来て無茶苦茶に流れます。電気は流れやすいところを通りますので これは凄いことになっているはずです。目に見えませんし、格好良い また エッチングをあまりしなくて良いですし、熱も逃がす。まあ 良いことづくめに見えますのでどうしてもやってしまがちなのです。

計測用の高精度アンプを設計したことがある人だと すぐにこれはまずい と気がつくのですが、一般には気がつかないことが多いです。 計測用の場合、直線性や絶対精度が問題となりますので、共通インピーダンスを持たないように つまり 他の影響を受けないように設計します。少しでも 他の影響を受けると、アンプの精度に影響するからです。

特に FET入力などのハイインピーダンス回路では 回路基板の絶縁性までもが問題になり、パターン間の狭いベタアースは致命傷の場合も有ります。ガードリンクという手法だけでなくテフロン端子を使って絶縁性を良くする と言う行為をするくらいなのです。
余談ですが、バイポーラオペアンプを使った回路で 回路設計が悪いアンプのオペアンプをFET入力のオペアンプに交換すると 発振したり、不安定になったり ノイズが多くなったり問題が起きる場合がありますが、まさにこれが原因のことが多いです。

さて ではインピーダンスを下げるのは無意味なのでしょうか? 実は意味がありますし、できれば 0オームにしたいくらいです。たとえば導線をどんどん太くすればそれなりに直流抵抗値は下がっていきます。
スピーカーの配線であれば ほぼその理論が成り立ちます。ヘッドフォンも同じです。本当は いろいろありますが 後ほど説明します。

では RCAケーブルは!? これは 線を太くすると 確かに直流抵抗値は減りますが、今度は太くなった分 面積が増えて線間容量が増えてしまい、単純に抵抗値だけでは決められない問題となります。線を細くすると 今度は容量は減りますが、直流抵抗は増えます。 いやあ 難しいですね。

先ほど 後ほど.. と言いましたが 実はスピーカーケーブルでも線間容量はあるはずですよね。いやあ 難しくなってきました。

・・・で 何を言いたいか というと インピーダンスを下げる と言う意味は ただ単に太くすればいい と言う問題ではないのです。
さらに RCAケーブルのように、あちらを良くするとこちらが駄目になる と言うようなものも多く存在します。
難しいですね。オーディオはまだまだ改善の余地がありますし、 バランスヘッドフォンも 理想を追求すればもっと良くなるはずです。一番理想に近づけやすい構造だからです。

いろいろ説明してきましたが 世の中には多くの誤解があります。特にオーディオでは 「物理特性を良くすると音が悪くなる」といった おかしい結論がまかり通っていたりします。たくさんの事象が絡み合っているのに、その中のたった一つを追求して その全てがダメ というような結論は避けなければなりません。よく考えれば誰でも分かることですが、複雑でまだまだ分からないことも多く、つい間違えてしまうのです。

そういう風に考えると 理想に近い バランスヘッドフォンは、明らかに共通インピーダンスを持っている通常のヘッドフォンより優れていることは理論的に明白なのですから、逆に差が出ない方がおかしい いや 差が分からないようだと まだまだそのシステムは未熟なのかもしれません。 

是非 オーディオの未来のために盛り上がってもらいたいと思っています。
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コメント 1

perua

読みやすい記事ありがとうございます。
遅くで読みました。

by perua (2010-01-21 13:15) 

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